広がるマイクロビーズ規制
2017年3月9日 iBスタッフ 0 Comments
カリフォルニアからこんにちわ。
先日ロンドンのビューティーエキスポに行って
化粧品メーカーと話をしていると、「マイクロビーズは使っていません」と
強調するメーカーが多かったことに気づきました。
マイクロビーズって何だろう?
マイクロビーズとは、5㎜以下の微細なプラスチック粒子のことですが、
角質除去や洗顔の目的でスクラブ剤として化粧品、洗顔剤、歯磨き粉
などに使用されています。
マイクロビーズは下水から海へと流れ、海の生物達に取り込まれ、
生態系へ大きな影響を与えているのです。
東京農工大学 高田秀重教授の話では、
「東京湾のイワシを調べると、64匹中49匹から平均3個のマイクロプラスチックが見つかりました。
小魚がマイクロプラスチックを取り込むと、それを食べる魚に有害物質が蓄積されます。
食物連鎖の中で、有害物質が濃縮されていくと考えられているのです。
マイクロビーズのようなさらに小さなプラスチックの場合、食物連鎖の底辺にあるプランクトンまで、体内に取り込むことが確認されています。」
(NHK クローズアップ現代 2015年10月29日放送から)
とのことです。
食物連鎖で有害物質はどんどん濃縮され、知らず知らずのうちに
私たちの体内にも入り込んでいるのです。
結局は自分で自分を危険な目に合わせていたとは・・・
ショッキングな事実を目の当たりにしました。
この環境問題をシビアに受け止め、米国では2015年12月に当時のオバマ大統領が
「マイクロビーズ除去海域法(Microbead-Free Waters Act of 2015)」という法案に署名しました。
これによると、2017年7月1日からマイクロビーズを含む製品の製造は禁止され、
2018年7月1日からは販売も禁止されます。
英国でもレッドサム環境大臣が、2017年度中に
マイクロビーズの規制の具体策の検討をすると発表しています。
さて日本の場合というと、法規制の具体的な動きはまだないようで・・・
ちなみに、製品の成分表示には、「ポリエチレン」「ポリエチレン末」「ポリプロピレン」
などと表記されているのが「マイクロビーズ」のようです。
規制が遅れているならば、せめて自分たちで成分表示が
読めるようになっておきたいものですね。